Kimagure EVA★Road 第8話 試 …
きまぐれエヴァ★ロード
第8話 試驗、逃げ出した後
僕たちも一應中學生なわけで、學期末には試驗という名の地獄が待ちかまえてい
る‧‧‧
「いかりー、試驗は大丈夫かぁ」
いつものようにトウジが僕の机の前までやってきた。
「ちょっと不安かも」
「この學校も一應私立やさかい、結構試驗は嚴しいんやで」
「そ、そうなんだ‧‧‧‧‧‧‧」
「もうすぐ試驗の1週間前や、そろそろ勉強していたほうがええのとちゃうか
?」
「わかった‧‧‧でトウジは勉強するの?」
「アホな事聞くなぁ‧‧‧ワシが勉強なんぞするタマに見えるか?」
「‧‧‧‧見えない」
「ま、そういうこっちゃ、じゃあなセンセ」
その後でケンスケまで机の前までやってきた。
「シンジー、試驗大丈夫?」
「た、多分‧‧‧」
「結構この學校の試驗って難しいんだぜ、勉強しておいた方がいいかもよ」
「でもトウジは勉強なんてしないって‧‧‧‧‧」
「あぁ、あいつは委員長にノート借りるつもりなんだろうな」
「それだけで平氣なのかな?」
「あいつの場合勉強は捨ててるからね、まっスポーツが得意だからその分で埋め
合わせをしてるって事なんだろ」
「いいな‧‧トウジは」
「俺達は勉強を頑張るしかない‧‧‧というわけだ、じゃ頑張れよ」
うちに歸ってみると、リビングでミサトとリツコが勉強をしていた。
リツコはともかく、ミサトが勉強だなんて‧‧‧‧‧‧
「た、ただいま」
「おかえりなさい、お兄ちゃん」
二人の聲がユニゾンしてきこえた。
「二人で勉強だなんて珍しいな」
「うん、もうすぐ試驗だからね、ミサトが分からないところがあるっていうから
教えているの」
「そのとーり、でねリツコちゃん、ここなんだけどぉ」
「あっここはね、Aの式にBの解をを代入するの‧‧‧‧」
「すっごーい!やっぱりリツコって頭いーんだ」
そんな妹たちの樣子を見ていると「何かしなくちゃ」と言う氣になって
翌日の放課後、僕は圖書館で勉強をしていた。
そんなとき‧‧‧
「あれっ、シンジも勉強してたんだ」
アスカが教科書にペンを入れていた僕に聲をかけてきた。
「うん、試驗がちょっと不安で‧‧‧‧」
「そうなんだ、ねぇシンジ、あたしでよかったら勉強教えてあげるけどどうか
な?」
「えっ、そんな‧‧‧」
「そんなことないって、これでも學年でトップなんだからね」
「じゃあ、惡いけどお願いできるかな」
そのままアスカは僕の鄰の席に座って、僕の勉強を見てくれた。
ある程度まで理解しないでもアスカはどんどん先に進んでしまう。
「ああっ、もうこんなところが分からないの」
「ごめん‧‧‧」
「これじゃまた一緒に勉強しないとダメみたいね、
いいシンジ、明日も圖書室で勉強だからね!」
「ええーー」
「シンジのためでしょ!!!!」
「分かったよ‧‧‧‧」
やっとアスカから解放された僕はその足であばかぶに向かった。
「あ、碇君」
「こんにちは、綾波」
少しの間綾波と話して氣分轉換でもしようかと思ったんだけど‧‧‧‧
「もうすぐ試驗だね、はぁ‧‧‧勉強大丈夫かな」
「試驗危ないんだ‧‧‧そうだ!私で良かったら勉強教えて上げるけどどうか
な?」
「わ、惡いよ‧‧‧そんな」
「そんなことない!碇君のためだったら‧‧‧」
そんな風に言われたらこっちとしても斷ることが出來ない。
「じゃ、じゃあ賴めるかな‧‧‧勉強」
「うん!お店の營業が終わるまで待っててね」
結局ここでも休むどころか勉強をするはめになり。
「これから當分勉強漬けか‧‧‧‧はぁぁ」
心の中でそう言うのが精一杯だったりしたわけで‧‧‧‧
そのまま綾波とアスカに勉強を教えて う日は過ぎていった。
每日放課後になるとまず圖書室に行ってアスカに勉強を教わり、その後はあばか
ぶに寄って綾波にも勉強を見て っていた。
息拔き一つ出來ない狀態でただ勉強だけをして、かなり辛かったりもしたわけ
で‧‧‧
試驗前最後の日、今日も僕はあばかぶで綾波に勉強を教わっていた。
「でね、ここは‧‧‧」
「ふんふん、じゃあここはどうなってるの?」
「ここはね‧‧‧‧」
勉強しても何故かいっこうに試驗の不安は減らなかった。
試驗のプレッシャーかも知れないけど、僕の精神狀態はかなり惡かったわけで。
「もう、そうじゃないわ」
「ごめん‧‧‧‧‧」
自分に對する苛立ちから机にシャープペンシルをたたきつける。
「碇君‧‧‧‧」
綾波の心配そうな視線が氣になる。
だけどここのところ每日のように、綾波かアスカに勉強を教えて っている。
あんまり勉強が頭に入らない自分のふがいなさに、腹が立ってきていたわけであ
り。
「ごめん‧‧‧綾波、ちょっと頭を冷やしてくるよ」
僕はそう言い殘してあばかぶを飛び出した。
そのまま夜で人のいない街を走っていく。
自分で自分を押さえきれないもどかしさが、さらに僕の心を締め付ける。
「何で僕は‧‧‧せっかく綾波が協力してくれたのに‧‧‧
その好意を踏みにじるような真似をしたんだ」
どれくらい走ったのだろう。
氣が付くと公園の入り口の階段についていた。
100段近くあるその階段を何にも考えずに登っていく。
頭が真っ白になって、少し氣持ちが樂になった。
階段の上にたどり著いた僕は息が切れたのを元に戾した後、ブランコに座った。
”ギィーギィー”
とブランコをこいでいる自分が一人でいることに、自由さを感じる反面、それを
堯かに上回るだけの寂しさを感じていた。
ふと顏を上げてみる。
そこにいたのは、綾波だった。
「ど‧‧‧どうしてここが?」
「なんとなく‧‧‧碇君がいるような氣がして」
「ありがとう‧‧‧」
綾波は僕の橫のブランコに腰掛けてそれからぽつりぽつりと話し始めた。
「この1週間、碇君、よく頑張ったもの‧‧‧‧きっと試驗も大丈夫よ」
「そうだといいんだけど‧‧‧」
「絕對平氣よ!自信を持って!」
珍しく綾波が少し大きな聲を上げた。
その勢いに押されて僕も思わず返事をしてしまった。
「う、うん」
「よかった‧‧‧じゃあ、これ」
と言って綾波は自分のノートを手渡してくれた。
「碇君がよく分かっていないところとかを書き出しておいたの、これをやればき
っと‧‧‧」
ここまで親身になってくれる綾波。
僕は今度こそその好意に答えなければいけないと思ったわけで。
「頑張ってみるよ、綾波」
「それじゃ、勉強頑張ってね」
「それじゃ、また」
その後家に歸って必死にそのノートを使って勉強をした。
氣づいたら朝の光が机に射し丢んできて、結局徹夜になってしまったくらいに
‧‧‧
結局テストは思っていたほどは惡くはなかった。
どうやらトウジは遊んでいたのがもろに結果に反映されたようだけど‧‧‧
これも綾波とアスカの協力のおかげだよな。
本當に二人には感謝しなくちゃ‧‧‧
「あっ、シーンジー」
廊下で僕を見つけたアスカが聲をかけてくる。
「テストはどうだったの?」
「うん、思っていたより良かったよ」
それを聞いたとたんアスカの表情はとてもうれしそうなものに變わり、僕のこと
を喜んでいてくれてるんだって事がよく分かった。
「そりゃそうよ、この天才少女劔流アスカ樣の指導があったんですからね、感謝
しなさいよ」
「ありがとう‧‧‧アスカ」
「また勉強していて分からないことがあったら、いつでも聞きに來なさいよね」
「そうさせてもらうよ‧‧‧でさお禮と言っては何なんだけど‧‧‧」
「なーに?」
「今度ドイツから來るロックバンドのチケットが2枚あるんだ、よかったら一緒
にと思って‧‧‧」
「本當!うれしい‧‧‧」
「それじゃ、これがチケットだから」
「分かってるでしょうけど、絕對に れたらダメだからね!」
「もちろん!それじゃまたね、アスカ」
「じゃあね、シンジ」
歸り道、僕はあばかぶに寄ってみた。
”カランカラン”
「いらっしゃいませ‧‧‧なんだ碇君」
「來ちゃった‧‧‧」
昨日の今日で少し照れくさい氣持ちはあったけど、綾波には非常に感謝していた
わけで。
「‧‧‧昨日はありがとう‧‧‧」
「何言ってるの、こんなところで」
「それでさ‧‧‧‧‧‧お禮がしたいんだけど‧‧‧‧」
しばらく考えた後、綾波は何かを思いついたような表情になった。
「今日一日あばかぶで、食器洗いを手傳うってのはどうかしら」
そういって僕に從業引用のエプロンを手渡す。
「じゃ、早速お願いね、碇君」
「わかった!あれマスターは?」
「ちょっと今日は体調が惡いって店には來てないの‧‧‧」
「ふたりっきりかぁ‧‧‧‧」
思わず口にしたその言葉を聞いた綾波はちょっぴり赤くなったわけで‧‧‧‧
綾波と一緒に過ごせた午後はすごく樂しく感じられた。
あの試驗勉強も今日のこの時間のためにあったんじゃないかなぁ‧‧‧‧なんて
ね。
To be continued.
次回予告
2月14日、それは戰いの日である。
交錯する思い、そしてシンジの周圍にもチョコの甘い偂いが漂う‧‧‧
第9話 チョコレート‧マジック
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