Kimagure EVA★Road 第11話 …
きまぐれエヴァ★ロード
第11話 映畫へ行こう!!
憂鬱な期末試驗も終わって夏休みはもう目の前に迫っている。
暑い夏、何かが起こりそうな季節の始まり。
「えっ、えいが?」
金曜日の晝休み、いつものようにアスカは僕の教室に遊びに來ていた。
アスカの手には公開されたばかりの映畫のチケットが握られていた。
「實は知り合いから ったんだけど、一人で行くってのも寂しいじゃない、だから
今度の日曜にでも一緒に行かない?」
「え、來週の日曜、ちょっと待ってね」
アスカが見せてくれたチケットは、最近話題になっている映畫で僕も見たい
と思ってたもので。
手帳をあけてスケジュールを確認したけど、日曜日にはなんにも予定が入って
いない。
「うん、大丈夫みたい」
「そう、じゃ決まりね、何があっても來るのよ」
アスカと映畫。これってやっぱデートなのかな?
これっていろんな意味でチャンスかも、って、別にそんなつもりはないけど。
「あ、チケット3枚あるからレイも一緒に行くんだけど、別に良いよね」
たった今想像してたことが……いきなり崩れ去っていく。
危うくあしたのジョーのように真っ白な灰になりかけた瞬間、思考回路が一氣に
明るい方向に向かった。
デートなんて甘い期待は無慘にも打ち碎かれたわけだけど、その替わりに綾波も
一緒か‧‧‧これはこれでなかなか美味しいシチュエーションかも。
「うんうん、勿論OKだよ!!」
滿面の笑みを浮かべながら、僕はそう答えた。
「じゃ、これチケットね‧‧‧それじゃレイにも聲かけておくのよ、シンジ」
綾波の分と僕の分、2枚のチケットを渡してから、アスカは教室の出口に步き出
した。それから扉の前で何か突然思いついたようにこちらを振り返って、そして
「ぜーったいに、 刻しちゃ馱目だからね」
最後にそう言い殘してからアスカは教室を飛び出していった。
そして今日はもう映畫に行く當日。
僕は待ち合わせの蘆ノ湖驛に5分前くらいに著くように家を出た。
「あやなみ……」
驛についてぼけーっと待っていた僕の前に最初に現れたのは綾波だった。
「お、おはよう」
「おはよう、碇君」
今日の彼女の格好は白のシャツに黑のロングスカートという落ち著いた物で、そ
れが彼女のな魅力を引き立たせて、すごく可愛く見えて。
正直なんだか緊張してしまった。
「アスカはまだ來てないようね」
「う、うん、でもまだ待ち合わせの時間には少し早いしさ」
それから何分か過ぎても一向にアスカが來る樣子はなかった。
もう約束の時間から30分が過ぎているというのに。
「アスカ、どうしたのかしら?」
「ここで道に迷うなんて事はないと思うけど」
「まさか……」
「まさか?」
「惡い男に捕まってるとか」
「そんな事無いって、アスカが相手じゃかなう男なんて……」
ひょっとしたら居るかもしれない。
もしかしたらここに來る道の途中で惡い男に捕まってたりとか。
「ち、ちょっと電話してみるね」
アスカの攜帶に電話を掛けたけど
「ただいま電波の受信しにくい地域におられます」
とかで、かからない。
自宅に掛けても留守番電話でかからなかった。
「ダメだ、電話しても誰も出ない」
「そう、だったらもう家は出ているのよね」
「ちょっと向こうの方とか見てくるから、綾波はそこ動かないで」
「わかった、頑張ってね碇君」
僕は驛前を探し回った。
東口、西口、そして驛の中。
傳言板も見たけれど、アスカから僕らへのメッセージは殘ってなかった。
どこにも居ないのを確認してから今度は驛前の商店街を探した。
店の中を蛢いて、裏道も步いて。
それでもアスカの姿はどこにも見つからなかった。
「ゴメン、やっぱ見つからなかった」
「一体どうしたのかしら……アスカ」
綾波の目が心配そうに震えている。
アスカ……一体どうしたんだろう。
僕らの心配が最高潮に達しようとした時。
”トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル”
不意に僕の攜帶のベルが鳴った。
「はい、もしもし」
「あっ、シンジ?」
「その聲はアスカ?一体どうしたんだよ、何かあったの?」
「それが今日ちょっと都合惡くなっちゃってさ。あ、連絡 れてゴメンね」
「えっ、なんか用事でも出來たの?」
「それがさ、うちのパパがね、急にドイツから歸ってくる事になって、その迎えに
行かなくちゃ行けなくなったの、今丁度インターチェンジだからそっから電話してるん
だ」
「そっか、そうだったんだ……ははは」
なんだかあれだけ心配した自分がバカらしくなってきた。
でも、ふっと肩から力が拔けて樂になったけど。
「そういう事だから、今日はレイと一緒に行ってきて、レイの分とシンジの分の
チケットは渡したでしょ」
「わかった、」
「ふたりっきりだからって、レイにちょっかいとか出したりするんじゃないわよ、
あの子は私の親友なんだからね」
「わ、わかってるよ、そんなこと」
「本當かしら、なーんてね、ま、せいぜい樂しんできてね。私もちょっと殘念だけ
どさ、それじゃまたね、シンジ」
「うん、それじゃ明日」
そこまで話して僕は電話を切った。
「今の電話、アスカからでしょ、一体どうしたの?」
何があったのかと、心配そうな顏で綾波が聞いてきた。
「うん、大丈夫だった。別に心配するような事じゃなかったよ」
「そう、よかった」
「それで、アスカは來るの?來ないの?」
「いや、今日ちょっと都合惡くなって來れなくなっちゃったんだって。だから僕と
綾波で映畫行ってきたらだってさ」
「そうなの、でも」
ふと綾波は上目遣いに僕のことを見てきた。
「碇君は、アスカと一緒に行くのを樂しみにしていたんじゃないの。だったら私と
見ても……」
「そんなことないよ!!」
思わず大きな聲で叫んでしまった。
でも今の綾波が言った事って、なんだか寂しすぎる。
「アスカが來れなくなったのは確かに少し殘念だけど、綾波が一緒なんだから。そ
れにチケット2枚持ってるんだし、一人で見るのも寂しいしさ、ね、だから一緒に
行こうよ」
僕の言葉に綾波は少し驚いたようだったけど
「わかったわ、それじゃ行きましょうか、碇君」
それからちょっとだけ照れくさそうに微笑んだ。
「うん、そうだね」
それから僕らは映畫館へ步き出した。
to be continued.
次回予告
この街にも秋の訪れがやってきた。
珍しくシリアスモードのシンジ。
しかしその雰圍氣は長くは續かないのだった‧‧‧
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