[資料] Macross Maniacs' Report No.13
Macross Maniacs' Report No.13
コミック版『マクロス』の世界 <後編>
無限の廣がりを見せる『マクロス』宇宙。その勢いは,本流であるTVや映畫
,ビデオといったアニメの世界のみならず漫畫版やゲーム、小說その他といっ
た周?メディアにも多樣に波及している。
そこで今回は,前回に引き繞き,コミック版『マクロス』の歷代作品を追って
いこう。すでに才能あるアニメクリエイターが漫畫作品を執筆する事が當たり
前になっている現代,そしてゲームの中に『マクロス』が參加し,そのゲーム
が更に漫畫化されてそこから新たな『マクロス』ファンが生まれてくる,複合
の現代。
90年代中盤から勢いづいた新世代『マクロス』の流れは,コミック分野でも
多くの話題作を生み出している。君は,この中の作品をいくつ讀んだか?
『マクロス7』幻の短編コミック
前回,82年のTVシリーズ第1作から,92年のOVA『マクロス Ⅱ』ま
での時期に登場した『マクロス』コミックを語ったので,今回は以降のOVA
,TVシリーズ等のコミカライズを,順次、展望していく事とする。
さて『マクロス Ⅱ』に繞く『マクロス』タイトルは周知の通り,本商品であ
るTVシリーズ『マクロス7』(94年)である。殘念ながら商業作品分野に
おける『マクロスプラス』のコミカライズは,現在まで執筆が確認されていな
いが,一方の雄『マクロス7』は,複數の形で漫畫版が登場している。
その第一彈となるのは,小學館の『小學6年生』94年12月號の別冊附錄に
收錄された47ページンのオリジナル編『マクロス7/明日へのえチュド』。
現在は『少年ガンガン』誌の『マジックマスター』で人氣を博す黑澤哲哉(本
作は,黑澤哲也名義)が原作を?當し,作畫は,人氣格鬥ゲーム『龍虎の拳』
の漫畫化や小學館の『增刊少年サンデー』に連載されたカルト學園漫畫『川?
先生教育日誌』で多くのファンを摑んでいる天獅子悅也が作畫を行なっている
。
內容の方は『マクロス』コミック史上,(TVシリーズを背景にしながらも)
初の完全オリジナルストーリーが用意され,ファンには非常に興味深い企畫と
なっている。それだけでも『マクロス』ファンの關心を強く集める作品だが,
惜しくも,學習誌の別冊所收の短編という性格ゆえに,今日では入手一讀が非
常に難しい一編となっている(國會圖書館や東京都早稻田の現代まんが圖書館
といった漫畫人向けの公共設施でも,定期刊行物の別冊類は保管對象になって
いない為に,所藏されていない)。多くの『マクロス』ファンにとっては正に
幻の作品であり,何らかの形で早い復刊が強く望まれる一編だ。
『マクロス7トラッシュ』誕生
そして同じ『マクロス7』コミックの真打ちとなる一作は,『マクロス』の產
みの親の一人である美樹本晴彥の手によって描かれる『マクロス7トラッシュ
』であり,これは『マクロス7』TV本編と並行した時間の流れの中に存在す
る,アナザーストーリーの形をとった。
94年12月から『少年エース』(角川書店)で始まった連載は,回を追うご
とに作者の構想が膨らんでいき,當初は5卷で終焉の予定が,實際にはその倍
弱の分量,全8卷をもってようやく完結した。
なお周知の通り,揭載誌『少年エース』誌は,創刊後數年間は,劇場アニメ『
機動戰士ガンダムF91』のオリジナル繞編『機動戰士クロスボーンガンダム
』。かの『新世紀エヴァンゲリオン』の原作,そして『VS戰士ラムネ&40
炎』の漫畫化(作畫?當はOVA『アーケードゲーマーふぶき』の原作者.吉
崎觀音)と,ロボットアニメファンなら垂涎の,正に<メカロボアニメ漫畫の
メッカ>というべき勢いを誇っていた漫畫誌である。
その中で,本作『トラッシュ』は,それらロボットアニメゆかりの作者群の主
翼の一つを務めると同時に,あくまで『トラッシュ』という作品そのものの流
れを大事にして,完結までの時を,いい意味でのマイベースで著實に步んでい
ったと言える。
ロボットアニメのコミックとして見るならば,現實の作品『トラッシュ』は,
實際にはバルキリーや宇宙空間での戰鬥描寫もほとんど登場しない地球な作品
だが,マックスの隱し子と噂される主人公-御堂.シバと,ヒロインの少女エ
ニカ.チェリーニのそれぞれの夢への挑戰,そして兩者の絆を,從來の漫畫の
文法とは一風異なる,大膽かつ纖細なコマ割で表現。迫真の作畫は,直接的な
メカバトルの描寫とはまた違う意味での,緊張感と高揚を育んでいる。
さらには物語全体のヒキとして,シティ7周?で進行する謀略で讀者の關心を
煽る一方,多彩にして個性豐かなサブキャラ勢が脅を固め,非常に讀み應えの
ある青春ドラマに仕上がった?も特筆しておきたい。
かつての早癩未沙をどことなく想起させる年上のサブヒロイン.マハラや,中
盤からエニカの戀のライバルとして作中的の役割を務めるパシャの魅力はもち
ろんだが,同時に,技術者ジン.タカノやエニカのプロデューサーなど,當初
は惡役然として登場してくる男性連中までが初第に人間的な厚みを帶びてくる
描寫が泣ける。特にシバが,彼の情熱を掛ける競技T-CRUSH(トルネー
ド.クラッシュ)の中で,窮地に陷った際に見せる,タカノとの連攜ぶりは印
象的だ。
全編が完結した今こそ,これまで應援してきたファンには改めての通誌(再讀
)を,そしてまだ本作品に接した事のな,ある意味で幸運なファンには,ぜひ
とも一讀をお勸めしたい秀作である。
『ダイナマイト7』のコミック
なお作品『トラッシュ』の連載が軌道に乘った98年には,更にもうひとつの
『マクロス7』コミック,というよりは,OVA『マクロスダイナマイト7』
の刊行に合わせた漫畫企畫『マクロスダイナマイト7.ミレーヌ.ビート』が
登場している。(角川書店)
こちらの作畫は高山瑞穗。高山は,小說版『マクロスダイナマイト7』(角川
書店)のイラスト?當で『マクロス』ファンに知られるが,ロボットアニメ周
?のコミック自体も,セガサターンのゲームの漫畫化『機動戰士ガンダム外伝
/The.Blue.Destiny』(講談社)を手掛けた事がある實力派。
本作『ミレーヌ.ビート』でも手馴れた筆致で,ミレーヌのちょっとドキドキ
な体驗と,バサラ以下おなじみの面々の活躍を,漫畫世界に再現している。
また近年は,直接的な『マクロス』の漫畫化ではないが,バンプレスト社の家
庭用ゲーム『スーパーロボット大戰Alpha』『スーパーロボット大戰Alpha外伝
』に,『マクロス』(TV第1作)および『マクロス.愛おぼえていますか』
,そして『マクロスプラス』の登場人物が活躍している事から,同題ゲームを
元にしたアンソロジーコミック等で,他のロボットアニメのキャラクターと共
演する一條輝や,イサム,ガルドらの活躍ぶりが見られる。このゲーム世界で
は,フォッカーや柿崎が戰死していない設定なので,陽氣な彼らの健在ぶりが
改めて見られるのも,ファンには嬉しい事と思える。
ざっと二回にわたり,漫畫版『マクロス』を概觀したが,純粹なコミカライズ
から番外編,またアナザーストーリーまでその方向性は實に多樣だ。今後も,
コミックと有機的に結びついた更なるメディアミックス展開が,『マクロス』
の可能性を無限に廣げてくれる事を期待したい。
(文.?井由人)
資料來源:マクロス7 13附錄(DVD)
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* Origin: 光之大陸 ★ 伊莉琴斯 * From: 61.30.224.81 [已通過認證]
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